ご挨拶

健康長寿の日本、そして世界をつくるために

慶應義塾大学COI-T拠点 プロジェクトリーダー
富士通株式会社顧問
秋草 直之



20年後のわが国の社会状況を考えると、超少産・超少子化に伴う生産可能人口の絶対的減少と社会全体の供給能力の毀損、超高齢化による扶養人口の急増と社会保障負担の増加による国力の低下が危惧されています。そのような状況の中で、今後の我が国が社会的・経済的に更なる発展を遂げるためには、全国民が健康長寿を満喫し、高齢になっても社会で活き活きと活躍できる持続可能な社会システムを再構築する必要があります。私達はその解決策の一つは、大都市、過疎地を問わず、全国民の健康長寿を約束する未来型医療を整備することである、と考えています。

慶應義塾大学COI-T拠点では、富士通株式会社を中心とする多数の参画機関・企業が、それぞれの最先端の情報通信技術や分子・画像解析技術、もの作り技術を持ち寄り、私達の拠点が提案している未来型医療である「システム医学・医療」を実現するために結集いたしました。

慶應義塾大学拠点の提案する未来型「システム医学・医療」では、一人ひとりの生まれてから死ぬまでの全ての健康・医療記録を蓄積し、共有・統合化することで、それぞれの健康長寿に貢献することを目標にしています。そのためには、全国民健康・医療情報共有化プラットフォームの構築が必須でありますので、慶應COI-T拠点では、世界に先駆けてプロトタイプを作ります。さらには、その健康・医療情報共有化プラットフォームから出てくる全ての情報を個人が同定できないように匿名化・二次データ化することで、現在は形すら存在しない真の医療ビックデータを構築します。また、現在得られる最先端の情報通信技術を使って、健康・医療ビッグデータ解析用の人工知能を開発し、人類全体の医学・医療に新しい知見を提供いたします。

私達慶應義塾大学COI-T拠点では、国民健康・医療情報共有化プラットフォーム基盤整備を通じて、一人ひとりの国民がいつでもどこでも最高水準の医療を享受し、健康長寿社会の実現に貢献するだけでなく、私達が創造する医療情報プラットフォームをユニバーサルなシステムとして設計することで、多数の新規医療関連産業が醸成されていく基盤を構築していきます。

健康・医療情報共有化プラットフォームの構築を通じて、
真の健康長寿社会を実現

慶應義塾大学COI-T拠点 研究リーダー
慶應義塾大学医学部医学部長補佐
坂口記念システム医学講座教授
洪 実

我が国は、先人たちの弛み無い努力のお陰で、世界でも有数の医学・医療システムを築き上げることが出来ました。慶應義塾大学では、真の健康長寿社会の実現のため、この優れた医療システムを改善し、最先端のクラウド型情報通信技術を最大限に利活用した新しい医学・医療を創出したいと考えています。

そのような未来型「システム医学・医療」のプロトタイプを創出し、更には将来医療インフラの一部として社会実装するため、平成25年度文部科学省「革新的イノベーション創出プログラム (COI STREAM) 拠点」に応募し、「健康長寿の世界標準を創出するシステム医学・医療拠点」COI-T拠点として採択していただきました。

今後、本COI-T拠点においてプロトタイプを構築する全国民医療・健康情報共有化プラットフォームを基盤として、慶應義塾大学の誇る臨床・基礎一体型医学に、新しい「システム医学・医療」を切り開きます。そのために、富士通株式会社を中心とする参画機関・企業群による世界最先端の情報通信技術(ICT)・分子画像解析技術・もの作り技術を融合し、最終的には世界中の医療にイノベーションを起こすことを目標としています。

現在、我が国では少子高齢化など沢山の課題に直面していますが、5年10年先を考えると、それらは地球規模の課題になると考えられています。その中で我が国は、これらの課題を他国に先駆け解決し、世界に誇れる健康長寿社会を築いていく能力があると信じています。本COI-T拠点では、グローバルな産学官連携体制を形成することで、世界標準となるようなシステム医学・医療を構築し、誰もが優れた医療を受けられる健康長寿社会実現に貢献してまいります。